家の価値はどうやって測る?不動産売却を考えているなら、まずは査定
家を売却したいけれど、初めての売却で査定を依頼する手順やタイミングが分からないという方も多いと思います。不動産の査定については、無料の一括査定サイトなどを使って複数社に机上査定してもらい、その中から2、3社を選んで訪問査定してもらうのが一般的です。不動産を高く売る上で査定は非常に重要なので、正しい知識や準備を身に付けておきましょう。今回は、家を査定する方法、査定で見られること、準備しておいた方が良いことについて解説します。
家の査定を行う方法
家を売るには、相場を知る必要があり、相場を知るためには、不動産会社に査定をしてもらわないといけません。以前は不動産会社に出向いて査定依頼をしないといけなかったので、時間も手間もかかる大変な作業でしたが、インターネットが発達した現代では、無料の一括査定サイトを利用すれば、お金をかけずに短時間で多くの査定結果を受け取ることができます。
一括査定の段階では、不動産会社は物件を見ずに過去の販売実績や周辺の相場などを参考に机上査定を行います。机上査定については、各社で基準が違い、担当者の販売した経験なども加味されるので、査定金額にある程度バラつきが出ます。契約したいがために極端に高い査定を出してくる不動産会社もあるので、根拠もなく高すぎる査定は除外した方が良いでしょう。
実際に訪問査定をしてもらうと室内の状況や周辺環境などによって価格が異なってくるケースもあるので、机上査定は売却価格を決める上での目安として参考程度に考えておきましょう。最終的にはその中から不動産会社を2、3社選んで、実際に物件を見て査定してもらう訪問査定を依頼する流れとなります。
家の査定を行うタイミングと流れ
家の査定は、売却の意思がある程度固まった時点で行うのが良いでしょう。不動産会社も3年後に売却するという話だと査定に力が入りませんし、売却する時には価格も変わっている可能性が高く、結局再度査定し直すことになるので、あまり早くから査定しても意味がありません。
家を売却する理由は転勤、住み換えや資産売却などさまざまだと思いますが、高値で売却したいのであれば査定をするタイミングは重要です。査定をするタイミングとしては、12~2月がおすすめ!家が最も売れる時期は引越しシーズンである1~3月なので、その少し前の12~2月あたりに行うと査定金額が高く出ますし、実際も高値で売れるケースが多いです。
次に、査定を依頼する流れですが、依頼する前に物件の資料等の準備をしておくとスムーズに査定が進みます。準備するものは、建物の築年数や木造、鉄筋コンクリート造といった構造、間取り、平米数、ベランダの向きなどが分かる物件資料です。契約時の重要事項説明書やパンフレットなどがあるとより正確に査定してもらえます。その他、固定資産税納税通知書なども媒介契約時に必要なので準備しておくと良いでしょう。
準備ができたら、いよいよ査定の依頼です。査定依頼については、ネットで「不動産 一括査定」と検索して出てきた中から1~2サイトを選びます。1つのサイトで5~6社依頼できますので、対応が面倒だという方はとりあえず1つのサイトを選んでください。
一括査定サイトでは、物件の所在地、マンションや戸建、間取り、平米数などの項目を入力するだけで簡単に複数社へ依頼できます。査定を依頼すると、不動産会社から電話やメールで連絡が来るので、質問に答えるなど対応をして査定結果を待ちましょう。査定結果を元に、実際に訪問査定をしてもらう不動産会社を2~3社決めます。
査定で見られること・準備しておくこと
きちんと訪問査定をしてもらうためには、どういった点を見られるのか、何を準備すれば良いのかについて知っておく必要があります。マンションの場合と、戸建ての場合に分けて確認していきましょう。
マンションの場合
見られるポイント
- 室内の状況(壁紙、床の汚れ、損傷具合、居住している場合は荷物が多いか等)
- 開口部、眺望
- 設備の状況(給湯器の年数、浴室、トイレ、洗面台、キッチンが使用可能か)
- 共用部の管理状況(大規模修繕は実施しているか、廊下等は掃除されているか)
用意しておく物
- 最新の固定資産税納税通知書
- 管理費・修繕積立金の金額
戸建ての場合
見られるポイント
- 室内の状況(壁紙、床の汚れ、損傷具合、居住している場合は荷物が多いか等)
- 開口部、眺望
- 設備の状況(給湯器の年数、浴室、トイレ、洗面台、キッチンが使用可能か)
- 外観、家の周りの状況(大規模修繕は必要か、境界、塀、越境はないかなど)
- 前面道路の広さ、接道の長さ
用意しておく物
- 最新の固定資産税納税通知書
- 測量図
- 隣地との境界について(筆界確認書等覚書)
家の査定で気をつけること
家の査定の際に気をつけたいポイントは3つあります。
1.設備の故障や近隣とのトラブルなど、マイナスポイントを隠さない
家を高く売りたいからといって、設備の故障や騒音などの近隣とのトラブルを隠したまま売却すると後々大きなトラブルにつながります。設備であれば修理や交換、近隣のトラブル等であれば損害賠償請求や契約破棄にまで発展することもあります。逆に、最初から不動産会社にきちんとマイナス面を話しておけば、それを購入希望者へきちんと伝えたうえで売却してくれます。価格は下がるかもしれませんが、売却後のトラブルにおびえなくて済みます。
2.リフォームをするかどうかは、営業マンに相談してから行う
中古物件の場合、居住したままの状態よりも空室でリフォームされた物件の方がやはり高く売れます。しかし、中古物件を買う人の多くは、自分でリフォームして住みたいと考えているので、中途半端なリフォームをするとかえってマイナス評価になることがあります。たばこの臭いがひどい場合や、カビが生えているなど見た目に影響が出る場合は別ですが、リフォームをすべきかどうかは、不動産会社と相談してから行うようにしましょう。
3.不動産会社の話はうのみにしない
不動産会社は査定をしただけでは、報酬が発生しません。そのため、媒介契約をして物件を預かりたいがために、高い査定を出したり、調子の良いことばかり言う不動産会社も少なくありません。不動産会社の話をすべてうのみにしてしまうと、最終的に売却に時間がかかったり、希望していた価格よりも大きく値下げして売却することになってしまう場合もあります。査定は必ず複数の不動産会社に依頼し、よく比較検討したうえで売却を依頼するようにしましょう。
まとめ
家を高く売るには、査定は非常に重要なポイントです。1社しか査定依頼をしなかったばかりに、思っていたより安い金額で売られてしまったというケースもあります。査定は、必ず複数社に依頼し、それぞれの査定を比較検討した上で最終的にどの不動産会社に依頼するかを決める必要があります。そのためには、机上査定の段階から事前に必要な情報を準備し、不動産会社に適正な査定をしてもらえるようにしましょう。
訪問査定においても、見られるポイント、準備しておく物をしっかりと確認しておくことで査定結果も変わってきます。家の査定に関する正しい知識を身に付け、早期・高値売却を目指しましょう。