1. HOME
  2. ブログ
  3. 不動産売却のすべて
  4. 住まいの悩み
  5. 持ち家と賃貸を徹底比較!生涯コストやメリット・デメリット

記事

住まいの悩み

持ち家と賃貸を徹底比較!生涯コストやメリット・デメリット

老後の生活まで見据えて、持ち家と賃貸物件(以下、「賃貸」)のどちらがいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、持ち家と賃貸それぞれにかかる生涯コストや、メリット・デメリットについて解説します。あなたのライフスタイルに合っているのは、持ち家と賃貸のどちらでしょうか。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

持ち家と賃貸の費用項目と生涯コスト

持ち家と賃貸の大きな違いは、「住宅ローンの有無」でしょう。といっても、賃貸でも毎月家賃がかかります。金銭的な面を比較するには、長期的な観点で比較しなければなりません。持ち家と賃貸それぞれの生涯コストについて解説します。

費用項目

持ち家

持ち家の場合、かかるコストは次の通りです。

  • 住宅ローン
  • 固定資産税
  • 火災保険料
  • 修繕・リフォーム費用
  • 管理費、修繕積立金(マンションの場合)

持ち家の場合、住宅ローンの他に固定資産税がかかります。また修繕・リフォームの費用も自分で用意しなければなりません。マンションの場合は、さらに管理費や修繕積立金が毎月かかるため、ランニングコストは一戸建てよりも高い傾向にあります。

賃貸

賃貸の場合、かかるコストは次の通りです。

  • 家賃
  • 更新料
  • 火災保険料

賃貸の場合は2年契約が主流なので、2年おきに更新料がかかります。また、義務ではありませんがほとんどの賃貸で賃借人も火災保険に加入する必要があるため、火災保険料がかかってくることも忘れないようにしましょう。

生涯コスト

持ち家と賃貸の生涯コストを、どちらも、「30歳の方が90歳まで生きる60年間にかかる費用」という同条件で比較します。

持ち家

物件価格は4,000万円、金利1%、35年ローン、頭金なし、ボーナス払いなし。
この場合、60年間でかかる総費用は、約6,560万円です。

  • 初期費用:280万円(物件価格の7%)
  • 住宅ローン返済総額:4,740万円
  • リフォーム代:1,000万円(500万円×2回)
  • 固定資産税:480万円(年8万円と仮定)
  • 火災保険料:60万円(年1万円と仮定)

賃貸

上記持ち家の住宅ローンの返済額に合わせ、ひと月の家賃は113,000円(4740万円÷35年÷12ヵ月=112,857円を元に設定)とします。
この場合、60年間でかかる総費用は、約8,535万円です。

  • 家賃:8,136万円(113,000円×12ヵ月×60年)
  • 更新料:339万円(家賃1ヵ月分を2年に1度と支払うものと仮定)
  • 火災保険料:60万円(年1万円と仮定)

賃貸は、持ち家と比較して約2,000万円多くの費用がかかる計算になります。持ち家は、住宅ローンを完済する35年以降は毎月の支払いがなくなりますが、賃貸は借りている限りいつまでも賃料がかかるため、その差が大きく出ています。引越しなどの回数が増えると、さらに費用がかかってしまうでしょう。

同等のコストにするには

賃貸にかかるコストを持ち家の総コストから逆算して考える方法もあります。

  • 持ち家の総コストが約6,560万円
  • 賃貸の火災保険料が60万円(年1万円と仮定)
  • 更新は2年に1度のタイミングで、更新料は家賃1ヵ月分(60年間で30回)

6,560万円(持ち家の総コスト)-60万円(火災保険料)=6,500万円(家賃と更新料の総額)
6,500万円(家賃と更新料の総額)÷750ヵ月(家賃12ヵ月×60年+更新料1ヵ月×30回)=86,666円
約86,000円の賃料の賃貸であれば、更新料を含めても持ち家と同等のコストになります。

持ち家と賃貸のメリット・デメリットとは?

持ち家と賃貸それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

持ち家

持ち家のメリット・デメリットは次の通りです。

メリット

  • 住宅ローンを完済したら資産になる
  • リフォームや建て替えを自由に行える
  • 住宅ローンの借入時に団体信用生命保険に加入できる
  • 住宅ローンの完済後は毎月の固定支出が減少する

持ち家は最終的には自分の資産になるため、リフォームや建て替えを自由に行うことができ、子どもや孫に相続することも可能です。また、一般的には住宅ローンの借入時に団体信用生命保険に加入しますが、自分に万が一のことがあった場合でも保険金で住宅ローンを完済できるので、家族に負担をかける心配がありません。さらに、住宅ローンを完済した後は、毎月の固定支出が減るため、ゆとりのある老後を送れるでしょう。

デメリット

  • 簡単には引っ越せない
  • 住居費を下げられない
  • 固定資産税がかかる
  • メンテナンスは自分で行わなければならない

持ち家は住宅ローンに縛られるため、簡単には引っ越しができません。仕事などで転居の必要がある場合には単身赴任を選択することになるでしょう。また、ケガや病気で働けず収入が減少したとしても、住宅ローンの返済額は変わらないため、家賃の安い家に引っ越して住居費を下げるといった選択ができません。さらに、毎年固定資産税がかかるため、住宅ローンを完済した後も継続して費用はかかってきます。また、忘れがちなのはメンテナンス費用です。持ち家は賃貸と違い住居の修繕やリフォームは自分で行わなければなりません。自主的に、メンテナンス費用の積み立てを計画的に行っていく必要があります。

賃貸

賃貸のメリット・デメリットは次の通りです。

メリット

  • 気軽に引っ越せる
  • 住居費をコントロールできる
  • メンテナンスを気にしなくていい

賃貸の最大のメリットは気軽に引っ越せることです。気軽に引っ越せるため、ケガや病気で収入が減るという不測の事態が起きたときでも、賃料の安い物件に引っ越すことで住居費を減らすなど、臨機応変に支出を調整できます。また、基本的に設備の故障や不具合などはオーナーが直すため、メンテナンスについて気にする必要がありません。

デメリット

  • 家賃の支払いが生涯続く
  • 内装や間取りを変えられない
  • 高齢の場合、賃貸を借りられないケースがある

賃貸は、借りている限り賃料を払い続けなければなりません。年金で生活している場合でも賃料を支払う必要があるため、将来のことを考えながら検討する必要があります。また、賃貸はあくまでもオーナーから部屋を借りているため、自由に内装や間取りを変更できません。さらに、貸すか貸さないかはオーナーによる判断のため、収入がない方や、保証人を立てられない方、特に高齢者などは賃貸を借りられないケースが多いです。

老後を見据えたとき、持ち家と賃貸ではどちらが安心?

老後まで見据えたとき、持ち家と賃貸ならどちらが安心なのでしょうか。それぞれのメリットについて解説します。

老後を見据えたときの持ち家のメリット

メリットは次の通りです。

  • 将来的に資産になる
  • 土地の価格が上昇する可能性がある
  • キャッシュフローが安定する

持ち家は、住宅ローンを完済した後は固定の支出を抑えて生活できます。さらには相続や売却も制限がなくなるため自由に資産として処分可能です(建物自体の価値は住宅ローンを完済するまでにほぼなくなっているため、土地の評価になることに注意しましょう)。立地が良い物件などは、将来的に価格の上昇も見込めます。なかには購入時よりも高く売却できるケースも。このように持ち家は長期的に見ると投資という側面もあります。また、キャッシュフローが安定するのも持ち家のメリットです。長期的な支払いスケジュールが決まっているため、詳細に老後の資金計画を立てられるでしょう。

老後を見据えたときの賃貸のメリット

賃貸のメリットは次の通りです。

  • 老朽化による設備の修繕やリフォームの負担が少ない
  • 住居費の見直しができる

故障や不具合は基本的にオーナーが直すため、修繕やリフォームの負担が持ち家と比べ少ないのがメリットです。また、将来的に生活費を下げて生活しなければならないような状態になったとしても、柔軟に住居費の見直しができます。

持ち家も賃貸もそれぞれにメリットがあるため、自身の老後のライフスタイルに合いそうなのはどちらかという基準で考えましょう。

持ち家が向いている人・賃貸が向いている人

老後の生活をイメージできない方も多いでしょう。ここからは持ち家が向いている人と賃貸が向いている人、それぞれの特徴を解説します。自分がどちらに当てはまるかを考えてみましょう。

持ち家が向いている人の特徴

持ち家が向いているのは、次のような人です。

  • 退職までにローンを完済できる
  • 収入が安定している
  • 貯蓄があり、頭金を用意できる
  • 今後の人生設計がある程度決まっている

退職までにローンを完済できると、ゆとりのある老後を送れるでしょう。住宅ローンは毎月の支出の中でも高額であるため、退職した後も継続してローンを返済していくのは難しいです。住宅ローンを組んだ後に、支払いを止めることはできません。そのため、安定した収入がない方は、持ち家の購入には向いていないでしょう。貯蓄があり頭金を用意できる方は、住宅ローンの借入金額を少なくできるため、月々の支出も抑えられます。また、居住エリアや子どもの数など今後の人生設計がある程度決まっている方は持ち家が向いているといえます。

賃貸が向いている人の特徴

賃貸が向いているのは、次のような人です。

  • 今後の人生設計がまだ決まっていない
  • 継続して賃料が払える
  • 住宅ローンに縛られたくない

今後の人生設計がまだ決まっていない方は、長期間の返済が必要になる持ち家よりも賃貸の方が向いているでしょう。賃貸であれば気軽に引っ越しができるため、居住エリアや子どもの人数など人生設計が未定の方や、仕事で今後転勤の可能性がある方には賃貸がおすすめです。ただし、賃貸は借りている限りずっと賃料を支払わなければなりません。ですので、老後も含め継続して賃料が支払える方にとっては賃貸でも問題ないでしょう。長期間住宅ローンに縛られたくない方は賃貸の方がおすすめです。

金銭面だけではなく、老後も見据えて考える

持ち家と賃貸の生涯コストや、メリット・デメリットについて解説しました。持ち家と賃貸のどちらがいいかは、個人のライフスタイルや価値観によって異なるので一概にはいえません。ご自身が持ち家と賃貸のどちらに向いているのか、記事の内容を参考に考えてみてください。

関連記事

不動産売却のすべて