1. HOME
  2. ブログ
  3. 不動産売却のすべて
  4. 不動産売却
  5. マンション売却の第一歩、「査定」の基礎知識

記事

不動産売却

マンション売却の第一歩、「査定」の基礎知識

マンションの売却を検討しているけれど何から始めればいいのか、「査定」という言葉は聞いたことがあるけれど実際にどんな流れで進むのか、分からない方も多いのではないでしょうか。この記事ではマンション売却の第一歩である「査定」について解説します。読んでいただければ査定の流れやポイント、注意点などが分かります。マンションの売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

査定ってどんなもの?

マンションを売るときにはじめに行うのが査定です。査定では不動産会社にマンションはいくらぐらいで売却できそうか、売却価格はいくらに設定すべきかを算出してもらいます。価格が決まらなければ売却活動をスタートできません。査定方法は大きく分けて2つあります。

机上査定

机上査定とはマンションや階数、方位などをもとに机上で算出する査定方法です。実際に部屋を見てもらってもいいのですが、「すぐに不動産会社の人に来てもらうのは不安」という方は、まずは机上査定を依頼しましょう。机上査定は各不動産会社のホームページや、一括査定サイトから依頼可能です。最近ではAIによる査定もあるため、「まずは目安の価格だけ知りたい」という方は活用してみましょう。不動産会社のサイトによっては「簡易査定」と表示されている場合もあります。

訪問査定

訪問査定とは実際に不動産会社にマンションを見てもらう査定方法です。訪問査定では、資料だけでは分からない部屋の個別性が分かるため、より正確な価格の算出が可能です。部屋からの眺望や日当たり、室内のコンディションなど、より細かな点を考慮して価格が算出されます。売却を具体的に検討している方は、机上査定で済ませるのではなく、必ず訪問査定を依頼しましょう。

マンションの査定の流れ

マンションの査定の流れは次の通りです。

  1. 査定依頼
  2. 机上査定
  3. 訪問査定
  4. 査定報告

順番に解説します。

1.査定依頼

まずは不動産会社に査定依頼をしましょう。不動産会社のホームページや一括査定サイトから査定依頼できます。ここでのポイントは査定は必ず複数社に依頼することです。不動産についての知識や経験が豊富であれば問題ありませんが、一社に依頼するだけでは価格の根拠が乏しいです。一社だけの査定では価格が相場より低かったとしてもそれに気付けません。逆に相場より明らかに高い場合、いつまでも売れないという事態になりかねません。複数社に依頼することでマンションの相場が分かります。価格の面で損をしないためにも必ず複数社に依頼しましょう。目安は3〜5社です。あまり多過ぎてもやりとりが大変なので、ご自身のスケジュールを踏まえて依頼しましょう。

2.机上査定

査定依頼の際には、まずは机上査定をしてほしい旨を伝えましょう。不動産会社は競合も多いため、営業担当者によってはすぐに訪問査定のアポイントを取ってくるでしょう。本当は複数社比較したいと思っても勢いにのまれて売却を任せてしまうことにもなりかねません。まずは相場価格を知るためにも机上査定を依頼しましょう。

3.訪問査定

机上査定で大まかな目安が分かったのちに、訪問査定を依頼します。机上査定で3〜5社に依頼して相場が理解できた場合は、訪問査定する不動産会社を絞ってもいいでしょう。机上査定までのやり取りで信頼できそうだと感じた不動産会社に依頼しましょう。

4.査定報告

訪問査定の当日もしくは数日後に正式な査定報告があります。ここでのポイントは、査定価格はあくまでも参考価格であるということです。勘違いしがちですが、売却価格を決めるのは売主です。不動産会社の査定価格はあなたが価格を決めるための補足資料程度に考えましょう。不動産は売りに出した後でも価格設定を変更できるため、機会損失を避けるためにも最初のうちは少し高めの金額から売却を開始するのがおすすめです。査定価格をもとに実際に売却したい価格を決めましょう。

マンションの査定のポイント

マンションの査定ではどういったところをチェックされるのでしょうか。不動産会社が査定時に見ているポイントはいくつかあります。それぞれ見ていきましょう。

立地

マンションの立地は査定時に重視されます。駅に近いほど利便性が良く価格も高いのが一般的です。その他にも公園や病院、商業施設などの周辺環境を含めて総合的に評価されます。

階数、間取り、方位

マンションの階数、間取り、方位は購入者が特に気にする部分でもあるため、不動産会社も査定時に重視しています。しかし単純に「南向きだからいい」「間取りが広いからいい」という訳ではありません。近隣の建物の影響で南向きでも日当たりがよくないマンションはありますし、エリアによって購入者のターゲットが異なるので間取りの良し悪しも変わってきます。不動産会社は買い手となりそうなターゲット目線で見ています。

建物の築年数

建物は築年数が経過するほど価値は落ちていきます。また昭和56年6月以前に建築確認がされたマンションは旧耐震基準といい、金融機関のローン審査が通りにくい傾向にあります。

管理費・修繕費積立金

管理費・修繕積立金も査定時に見られるポイントです。管理費・修繕積立金が高いとその分月々のランニングコストが増えます。そのためマンションそのものを問題なく購入できる人でも、管理費・修繕積立金を含めると予算オーバーになってしまう場合があり、購入検討者が限られてきてしまうことも。逆に管理費・修繕積立金が低い場合、今後のマンション管理が適切に行えない可能性もあります。場合によっては大規模修繕の際に一時金が必要になったり、金融機関から借入することもあるでしょう。現在の管理費・修繕積立金だけでなく、長期修繕計画を踏まえてチェックされています。

マンションの共用部

マンションの共用部を見ることで、マンションの管理状況を確認できます。売却するマンションの室内だけでなく、マンション全体の管理状況を踏まえて査定を行います。そのため管理状況が良くない場合、マンション自体の価値を下げてしまうことにもなるでしょう。

室内のコンディション、設備

室内のコンディションや設備は訪問査定の際に最も確認されるポイントです。室内のコンディションによってはリフォームや設備の交換が必要になるケースもあります。

マンションの査定前の準備

不動産会社に訪問査定を依頼する場合に準備しておくべきもの・ことを紹介します。

必要書類をそろえる

訪問査定時に準備しておくべき書類は次の通りです。

  • 間取り図
  • 管理規約、使用細則
  • 購入時の売買契約書
  • 総会の議事録

間取り図や管理規約、使用細則は、手元にあれば準備しておきましょう。不動産会社はインターネットや、マンションの管理会社から書類を取得できるため、無理に探し回る必要はありません。あればスムーズ程度に考えてください。しかし、購入以降にリフォームなどで間取りが変わっている場合は不動産会社も取得できないため準備しましょう。

マンションの売却には税金がかかることがあります。特に売却時に購入時よりも高く売れそうな場合は注意が必要です。購入時の売買契約書があれば不動産会社が当時の売買金額をもとに、「この価格で売れた場合税金は○万円程度」と計算できます。

通常マンションの管理組合では毎年総会が開かれます。総会では今後の管理費・修繕積立金の変更といった、売却にあたり重要になってくる内容が話し合われているため、議事録を準備しましょう。マンションの管理会社によっては、不動産会社が取得できず、所有者しか請求できない場合もあるので確認しましょう。

不動産会社からの質問に対する回答

不動産会社に聞かれた場合に答えられるようにしておくべきことは大きく分けて2つです。

  • リフォーム内容や時期
  • 住んでいて感じるメリット・デメリット

室内をリフォームした場合はリフォームの内容や時期を答えられるようにしましょう。売却時にはリフォームの内容を一定のルールのもとで広告に記載できます。購入検討者に良さを伝えられるよう、準備しておいて損はありません。
また、住んでいて感じるメリット・デメリットも重要です。不動産会社は不動産のプロですが、周辺施設の使い勝手や、時間帯によっての日当たり、マンション内の生活音などは住んでいる人にしか分かりません。不動産会社が購入検討者にマンションの特徴を説明しやすいように、メリット・デメリットを考えておきましょう。

リフォーム・修繕、掃除や整理整頓は不要

「査定の前にリフォーム・修繕、掃除や整理整頓はした方がいいの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、その必要はありません。費用をかけてリフォームしたにもかかわらず、購入検討者の趣味に合わずになかなか売れなかったとなる場合もあります。もし気になる部分があれば訪問査定時に直すべきかどうかを不動産会社に相談しましょう。

また、掃除や整理整頓がされているかどうかによって査定価格は変わりません。しかし、人に見てもらうので、気になる方はもちろん掃除をしても構いません。

マンション査定時の注意点

査定の際に注意すべきことはいくつかありますが、次の2つは特に重要です。

デメリットを隠してしまう

マンションを高く査定してもらうために、デメリットを隠すのはNGです。不動産の取引では、設備の故障や過去の水漏れ、マンションでの事故・事件などについて知らなかったことは違反ではありませんが、知っていて伝えないのは告知義務違反となります。もし伝えていない状態で契約が成立したとしても、その後隠していたことが分かった場合「知っていたら買わなかった」とトラブルになります。場合によっては損害賠償を請求されるため、事前に伝えておくべきことは全て伝えましょう。

一社の話をうのみにしない

査定の際には、一社の話だけをうのみにしてはいけません。最高査定額を提示した会社に依頼したものの、なかなか売れずに最終的に最低査定額で売却することになってしまったというケースもあります。査定額が妥当なのか、本当に購入検討者がいるのかなど、他の会社の話も踏まえた上で検討しましょう。

まとめ

マンションを高く売るには、適切な査定が欠かせません。1社にしか査定依頼をしなかったばかりに、思っていたよりも安い金額で売られてしまったというケースもあります。査定は、必ず複数社に依頼し、それぞれの査定を比較検討した上で最終的にどの不動産会社に依頼するかを決める必要があります。そのためにも、机上査定の段階から事前に必要な情報を準備し、不動産会社に適正な査定をしてもらえるようにしましょう。訪問査定においても、見られることをしっかりと確認して準備しておくことで査定結果も変わってきます。正しい査定の知識を身に付け、早期・高値売却を目指しましょう。

関連記事

不動産売却のすべて