仲介手数料の計算方法や相場は?交渉すれば半額や無料になる?
仲介手数料とは、不動産の売買を依頼して行う場合に不動産会社に支払う料金です。仲介手数料は物件の価格によって不動産会社が得られる上限金額が決まっており、この上限の金額を提示してくる不動産会社がほとんどです。しかし、自宅に届くチラシなどを見ていると「仲介手数料半額」や、中には「無料」と書いてあるものもあります。交渉次第で仲介手数料を割引してもらうこともできるのでしょうか。今回は、不動産売買の仲介手数料についてお話しします。
不動産売買の仲介手数料とは?
不動産を売買するには、「売主と買主が直接売買する」「不動産会社に依頼する」「買取してもらう」といった大きく3つの方法があります。仲介手数料は、不動産を自分で売却したり、売主から直接購入したときには発生はせず、不動産会社と媒介契約を結んで売買を依頼する際にのみ発生します。売却する場合は買主を探してもらう、購入する場合は物件を探してもらう対価として仲介手数料を支払います。そのため、不動産会社の働きぶりによっては、仲介手数料を高いもしくは安いと思うかもしれませんが、最初に取り決めた金額と方法で支払うことになります。仲介手数料の金額は売買価格によって、支払い方法や支払時期は不動産会社によってそれぞれ異なります。
不動産売買の仲介手数料の相場
一般的には仲介手数料と言われていますが、宅建業法では仲介手数料を「報酬」と記載しています。この報酬については、「国土交通大臣の定めるところによる」となっています。
国土交通省が報酬を定めたのは昭和45年とかなり古く、建設省告示第1552号には「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」として交付されています。
報酬は、次のように計算します。
- 200万円以下…売買金額の5%+消費税
- 200万円以上400万円以下…売買金額の4%+消費税
- 400万円以上…売買金額の3%+消費税
これはあくまで上限なのでこれ以下でも問題はありません。
不動産会社からは、400万以上の場合は、上限となる売買価格の3%+6万円(消費税)と提示されることがほとんどです。上記の説明だと400万以上なら3%ではないかと思う方も多いと思いますが、仲介手数料は積み上げ方式になっていて、200万までの分を5%、200万から400万の分を4%、400万以上の分を3%として計算します。
そのため、200万以下の場合の5%との差額(200万×2%=4万円)と200万から400万場合の4%との差額(200万×1%=2万円)分の6万円がプラスされることになります。例えば1000万円の物件の場合、30万円+6万円+消費税3.6万円で、仲介手数料は39.6万円となります。
仲介手数料はいつ支払う?
仲介手数料を支払うタイミングは、不動産会社によってさまざまです。不動産売却の場合は、不動産会社と媒介契約を締結する際に、仲介手数料の金額や支払時期を決めます。購入の場合は、購入が決まって契約をする段階で決めることが多いです。
支払時期は、大手不動産会社では売買契約時に仲介手数料50%、引き渡し時に50%としているケースが多いです。不動産会社によっては、売買契約時または引き渡し時のどちらかに一括で支払うところもあります。
支払い方法については、振込または直接手渡しとなります。売却の場合では、手付金から差し引いて支払うといったケースが多いです。
仲介手数料は値引きできる?
不動産は金額が高いので仲介手数料の負担も大きく、不動産会社に仲介手数料の割引交渉ができないかとお考えの方も多いのではないでしょうか。不動産会社は400万以上の不動産の売買であれば、規定報酬の上限一杯である3%+6万円(消費税)を提示してくるケースが一般的です。しかし、これはあくまで上限ですので割引交渉は可能です。
そうは言っても、不動産会社も簡単には割引交渉には応じてくれません。では、どういった場合に割引交渉は可能なのでしょうか。
売却の場合であれば、他の仲介会社と競合しているケースです。好立地や人気物件の場合、一括査定を申し込むと多くの不動産会社から連絡があります。複数社競合している場合であれば、専任(一社に任せる)で契約することを条件に割引を提案してくる不動産会社もあります。割引率は、10~30%程度から半額、無料と不動産会社によってさまざまです。
購入の場合であれば、自社で売却を預かっている物件や不動産会社が売主の物件は、売主から手数料をもらえるので割引してもらいやすいです。他には、不動産会社が売却においてきちんと販売活動を行わない、報告がないなど、仲介業務をきちんと行ってくれない場合には、当然交渉は可能です。また、月末間際の契約だと不動産会社もどうしてもその月に売上が欲しいということで、値引き交渉に応じてくれることもあります。
割引は、不動産会社にもメリットがないと応じてもらえないことが多いです。割引ばかり言う客=面倒な客となってしまい、十分なサービスが受けられない可能性もあるので、あまり強引な交渉はおすすめできません。
仲介手数料が50%OFF、無料の不動産会社は大丈夫?
不動産の売却を任せてくれたら仲介手数料は半額、無料といったチラシを見たことがある方も多いと思います。なぜ不動産会社は半額や無料など仲介手数料を安くすることができるのでしょうか。
不動産会社は、売却物件を預かって自社で買主を探すと、売主・買主双方から仲介手数料をもらうことができます。そのため、最悪売主から仲介手数料をもらわなくても良いという不動産会社は、売却の場合に限って仲介手数料を半額、無料にできるわけです。
しかし、そういった仲介手数料が安い不動産会社に任せる場合は注意が必要です。基本的に大手不動産会社では売却を無料で受けるということはしておらず、そういった対応をするのは地元に根ざした小〜中規模の会社がほとんどです。売却の場合、一括査定などを活用して大手に依頼する人が多く、このような会社はなかなか物件を預かることができません。つまり、売却側の仲介手数料を無料にしてでも自社で扱うことができる物件を預かりたいという訳です。
そのため、基本的に買主を探すのはその1社となり、他の不動産会社にお客様がいても紹介してもらえず、機会損失してしまうケースが多くなります。
このような不動産会社に任せると、なかなか売却ができずに値下げすることになり、結局仲介手数料の割引以上に値引きして売却することになってしまったというケースも多々あります。仲介手数料が安いにこしたことはありませんが、不動産の売却にあたっては、その不動産会社がきちんと売却をしてくれるのかを見極める必要があります。
まとめ
不動産売買を不動産会社に依頼する場合は、契約が決まれば仲介手数料を支払う必要があります。不動産会社は、仲介手数料を上限である売買金額の3%+6万円(消費税)で提示してきますが、上限なので割引交渉は可能です。売却価格や購入価格が変わらない場合、仲介手数料は安いにこしたことはありませんので、どんどん交渉するべきでしょう。しかし、不動産会社にメリットがない場合はなかなか交渉に応じてもらえません。安易な割引交渉は不動産会社のサービスの低下を招くこともあるので状況に応じて交渉することが重要です。
不動産会社の反応を見ながら、上手に仲介手数料の割引交渉を行いましょう。