一括査定サイトで「 買取査定 」はNG？その理由と高価買取のコツ
マンションや戸建ての売却について、以前は不動産会社に行く必要がありましたが、最近ではインターネットの一括査定サイトを利用するのが一般的になりました。
一括査定サイトは、一度に複数の不動産会社に査定をすることができる、相場を把握できるといったメリットがあります。
しかし、仲介を前提としているので、買取を希望する人にとっては買取り金額の査定とは大きく異なることがあり、一括査定サイトの見積もり額で買取ができると思い話を進めると思わぬ損をしてしまうかもしれません。買取の一括査定サイトもありますが、大手の登録が少ないなど使い勝手が余り良くないケースもあります。
そのため、仲介にするか、買取りにするかを迷っている場合は不動産会社に相談するのもひとつの方法と言えるでしょう。
今回は、マンションや戸建ての売却における仲介、買取の上手な進め方をご紹介します。
一括査定サイトの基本的な仕組み
マンションや戸建ての売却で便利なのが一括査定サイトです。
必要な情報を入力するだけで、複数社の査定を一度に取ることができます。
無料で利用することができるうえ、短時間で結果が出るので利用者が増えているのですが、大まかな流れは以下のようになります。
- インターネットで一括査定サイトを検索する
- いくつかある一括査定サイトから気になるサイトを選ぶ
- 必要な情報を入力して査定依頼
- メールや電話等で不動産会社から連絡がある
- 査定を比較して訪問査定してもらう不動産会社を選ぶ
一括査定サイトを利用する際に必要な情報
一括査定サイトを利用するに当たって入力が必要な情報としては個人情報と物件情報があります。
物件情報については売却する不動産によって異なります。
マンション、戸建て、土地の3つのパータンがあります。
きちんとした査定結果を得るためには、出来るだけ正確に情報を伝えることが重要です。
個人情報
- 住所
- 氏名
- メールアドレス
- 電話番号
- 不動産の所有者（名義人）かどうか
物件情報（マンションの場合）
- 物件の住所（地番ではなく住居表示）
- ㎡数（購入時のパンフレットに記載されている壁芯面積）
- 間取り（何LDKか、納戸はあるか等）
- 開口部の向き（ベランダの向き）
- 築年数
- 物件の状況（居住中、賃貸中、空室）
- 売却時期
物件情報（戸建ての場合）
- 物件の住所（地番ではなく住居表示）
- 土地と延床面積の㎡数（登記簿謄本に記載されている）
- 間取り（何LDKか、納戸はあるか等）
- 開口部の向き（ベランダの向き）
- 築年数
- 物件の状況（居住中、賃貸中、空室）
- 接道状況（前面道路の広さ、間口の広さ、向き）
- 売却時期
物件情報（土地の場合-地番ではなく住居表示）
- 物件の住所
- 土地の㎡数（登記簿謄本に記載されている）
- 接道状況（前面道路の広さ、間口の広さ、向き）
- 土地の形状（整形地、旗竿地など）
- 建物が建っているか、更地か
一括見積サイトを利用するメリット
マンションや戸建ての売却において一括査定サイトが使われるのは、手軽に査定できるだけでなく他にも多くのメリットがあるからです。
一括査定サイトを上手に利用することが売却を成功させるための近道と言えます。
主なメリットは次の３つです。
メリット１：複数社の査定が一度に行える
一括査定サイトの最大のメリットは、一度に複数社の査定を取ることが出来る点です。
不動産会社に直接連絡を取ってそれぞれに依頼すると、毎回同じ情報を伝える必要がありますが、一括査定サイトであれば情報入力は1回で済みます。
メリット２：売却価格のシミュレーションや高預かりを見つけることができる
複数社から見積もりを取ることでおよその相場価格を把握することができるので、いざ売却活動を始めるにあたって売り出し価格を決める際の参考にもなります。売却したお金で住宅ローンの完済をしようと考えている人は、売ったお金でローンを払いきれるのか検討することもできます。
また、極端に高い査定を出してくる不動産会社は、媒介契約を取るためにわざと高額な査定結果を出している、いわゆる高預かりをしている可能性が高く注意が必要です。
高額な査定額につられて契約をしてしまうと、相場より高い売値のためなかなか買い手が付かず、結果的に売却に時間がかかってしまうケースや、なんとか買い手をつけるために相場よりも低い価格で売却せざるを得なくなってしまうなど、逆に損をしてしまうことになりかねません。
一括査定サイトを利用することで他社との比較ができるので、極端に高い査定金額の不動産業者は検討から外すことができます。
メリット３：良い条件を提示される可能性が高い
一括査定サイトを利用した場合、不動産会社は他社と比較されることを念頭に置いて査定金額を出します。
自社で任せてもらうためには他社よりも良い査定金額を出さないといけないと考えるは当然です。
そのため、出来るだけ高い査定金額を提示するのはもちろんのこと、水回りのハウスクリーニングの実施、仲介手数料の値引き、瑕疵担保責任保険、ホームステージングなど、様々なオプションサービスも含めて提示してくれる可能性が高くなります。
一括査定サイトは、買取査定のための見積もりではないので注意！
一般的な一括査定サイトは、不動産会社が自社で仲介をする前提で査定を出します。
そのため、買取を希望する場合、一括査定の見積額で売却できると考えてしまうと査定金額は大きく異なることが多いので、注意が必要です。
では、仲介と買取にはどういった違いがあるのでしょうか。
仲介を利用した売却
仲介は、不動産会社と媒介契約（売却を依頼する）を結び、不動産会社はレインズやポータルサイトなどを活用して買主を探す売却方法です。
買主は、インターネットや不動産会社で物件を探す一般のお客さんになるので、買取と比べると高値で売却できるメリットがあります。
しかし、買主が見つからないと売却まで時間が掛かるのがデメリットです。
買取を利用して売却
買取は、不動産会社に直接物件を購入してもらう売却方法です。
購入者が不動産会社ということで、査定金額＝買取価格ですぐに現金化できる、直接契約をするので仲介手数料がいらないといったメリットがあります。
他にも契約不適合責任を免責してくれるケースもあるので売却後にトラブルが起こる可能性はほとんどありません。
しかし、不動産会社が購入後、自社でリフォームを行なうことなどを想定しているため、売却価格は仲介と比べると7割程度、物件によっては5割減と査定金額が安くなるのがデメリットです。
買取の一括査定もあるが…
少数ではありますが、買取専門の一括査定サイトもあります。
しかし、通常の一括査定サイトと比べると大手不動産会社の登録が少ないのが現状で、信頼性という面では少し不安を感じる人もいるかもしれません。
実は、買取査定は、一括査定サイトを利用したとしても、不動産会社へ直接見積もりを依頼するのとほとんど手間が変わらないため、登録している会社数が少ないのです。
不動産会社によっては、売主に買取業者を紹介するという方法になるので、その場合、売主は仲介手数料を支払う必要があります。
また、買取業者も紹介元の不動産会社に仲介手数料を支払う必要があるのでその分買取価格が下がってしまいます。ただ、大手不動産会社の場合は複数の買取業者と取引していることもあり、インターネットで探すよりは信頼性できる買取業者を紹介してもらえるというメリットがあります。
仲介、買取両方のケースを想定して見積もりが欲しい時は、不動産会社に相談してみましょう。
マンションや戸建を売却する方法としては仲介と買取の2つの方法があります。
それぞれメリット・デメリットがあり、早く売りたい、少しでも売却したいなど売主の考え方によってどちらを利用するかを決める必要があります。
特に買取を検討している場合は注意が必要です。
買取専用の一括査定サイトもありますが大手不動産会社が登録していないことも多く、通常の一括査定サイトと比べると信頼面で不安があります。
そのため買取と仲介の両方を検討している場合は、お近くの不動産会社に買取も想定した査定依頼をしておくのがポイントです。もちろん、住宅工営でもご相談を承っていますので、自分の不動産はどんな売却方法が良いのか迷ったらぜひお問い合わせください。
株式会社住宅⼯営/株式会社GLOBALKOEI 代表取締役
資格：不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引⼠・賃貸不動産経営管理⼠
1981年⽣まれ、東京都出⾝。元⾼校球児。デザイン経営で創業50年の不動産会社を改⾰し、「暮らしを、design」する不動産会社として突き抜ける。明⽇が楽しみで〝たまんない″世界へ。
